ビットコインの価格が上昇しています。10月23日(月)の終値は493万円を記録し、約1年半ぶりの価格水準となりました。前日比10%以上の上昇率は1年ぶりの数字で、24日現在はさらに上がって515万円を付けています。イーサリアムや他の仮想通貨銘柄も軒並み好調で、主に時間外取引で上昇した模様です。
1年半ぶりの高値
23〜24日の価格上昇により、時価総額で最大のビットコインの市場シェアは54%に達したと見られています。これは2年半ぶりの高水準で、他の有力銘柄に対する優位が一層と鮮明になりました。
このことは、先週に市場を騒がせたETF関係の誤報がきっかけとなったと見られています。米国証券取引委員会(SEC)がビットコインETFを承認したというのは事実無根であることが確認されましたが、市場を活性化させるには十分なインパクトを持っていたようです。
また、SECによるリップル訴訟の取り下げもビットコインに波及的効果を及ぼしたと見られています。この訴訟はリップルが有価証券とみなされるかどうかが争点となっており、今年7月にはSECが訴訟に一部敗訴したことが報じられ、今月初旬には連邦判事がSECによる控訴の申し立てを却下していました。
20日に告訴が棄却されたことで、リップルの価格は5%以上上昇しました。このニュースは相次ぐ規制から仮想通貨を解放するものだとも考えられており、市場に楽観的な見方が広がる原因となったようです。
ビットコインの過去1年間の値動き(Google)
今回の値上がりを受けて、仮想通貨市場全体の時価総額は前日比7.3%高の1.25兆ドルとなりました。これは2023年4月以来の高水準で、ETF承認により更なる上昇の可能性が示唆されています。
リップル、イーサリアムも上昇
ビットコインに差をつけられていることが報じられたばかりのイーサリアムですが、ここ10日間はほぼ連日の値上がりを記録しています。現在は27万6000円台で推移しており、これは今年7月以来の高水準です。
前述のリップルも価格を伸ばしており、24日12時26分(英国時刻)には86円の大台を突破しました。過去5日で10%上昇したリップルですが、8月以来の高値を付けたことで回復傾向が鮮明になっています。
こうした主要銘柄に加えて、PEPEに代表されるミームコインも軒並み10%以上の上昇を記録しました。この上昇トレンドは年末まで維持されると考える意見が多く、仮想通貨市場は1年ぶりの楽観ムードに包まれています。
ただし、活況が短期間で終わるという意見も根強く、一部のアナリストは買いすぎに対して警鐘を鳴らしています。「逆にポジションを減らした方が良い」という専門家もおり、慎重姿勢を崩さない投資家も一定数確認されています。