ビットコインの下落予想

JPモルガンが厳しめの見解を示す

2024年4月にはビットコインの半減期が発生する可能性が高いとされていますが、アメリカ金融機関のJPモルガンでは半減期後はビットコインのハッシュレートが20%下落すると予想しています。

ビットコインの半減期とは、マイニングに対する報酬が半減するイベントのことで、定期的にBTCの発行量の調整が行われます。ビットコインの発行上限は2100万枚と極めて低いことが特徴です。BTCはプルーフ・オブ・ワークの仕組みを採用しており、マイナーが計算処理をすることでビットコインの取引が承認されています。この計算処理の作業が『マイニング』と呼ばれており、最初に早く計算を終えたマイナーが報酬としてビットコインを得られます。

ただ、マイニングをすればするほどビットコインが報酬として流出するとトークンのインフレが加速することになることから、ビットコインでは他のアルトコインとは異なり定期的に報酬を自動で半減させる仕組みが導入されています。これが半減期と呼ばれており、現在のマイニング報酬は6.25BTC(約2500万円)とされています。

半減期はこれまでに4年間隔で行われていることから、2024年4月あたりに起こる可能性が高いと見られています。実際に半減期が起きた場合、マイニング報酬は3.125BTCに減額されます。

ハッシュレートと暗号資産をマイニングする計算力のことで、マイニングの速さを表したものですが、半減期により費用対効果が悪くなるとマイナーの活動が鈍化し、その結果ハッシュレートが下がることが予想されています。

ビットコインのマイニングは大量に電気を消費することで知られており、過去にビットコインと同様のプルーフ・オブ・ワークの仕組みを採用していたイーサリアムは2022年により効率的なプルーフ・オブ・ステークに移行して省エネの仮想通貨となったことが記憶に新しいです。今後、マイナーが高い収益を上げるためにはよりエネルギーコストの安い機材でマイニングを行う必要があります。

今回、JPモルガンが20%のハッシュレート下落を予想したということは、それだけ取引速度が下がっていることを意味し、ひいてはマイナーの競争が20%低くなっていることを表しています。

過去の半減期を見るとビットコインの価格は上昇する傾向にあり、今回は半減期後はBTCの価格が上昇すると見られています。また、ハッシュレートとBTCの価格は相関性が見られており、過去の半減期では一時的にハッシュレートが下落してもその後緩やかに回復し、ハッシュレートの上昇に伴いBTC価格の上昇も起きていました。

過去の半減期から、2024年にはビットコインが爆上げの仮想通貨となることを期待している市場参加者が多いですが、ハッシュレートが鈍化したままだと価格上昇が起きにくい可能性もあるため、多くの専門家がハッシュレートに注目しています。